1. HOME
  2. すべての記事
  3. 沖縄の島唄巡り 島唄連載『恋ししまうたの風』
  4. 第12回「むんじゅる節」粟国島

第12回「むんじゅる節」粟国島

さらなる広がりへ向けて ~ 粟国島の島唄のこれから

「『むんじゅる節』は、現在は舞踊がメインとなっています」と教えて下さったのは、今回「むんじゅる節」を歌って頂いた玉寄勝也さん。
粟国島では、舞踊として「むんじゅる節」、「芋の葉節」、「月の夜節」の3曲をひとつながりとして踊っているとのこと。

玉寄勝也さん

舞踊「むんじゅる節」が身体に染み付いていると思わせるのが先のスミ子さん。足腰が痛くて昔のようには踊れないと言いつつも、ことあるごとに自然と身体が動いてゆったりと踊って下さいます。
スミ子さんに「むんじゅる節」のエピソードを伺ったところ、
「“里が張て呉てる むんじゅるの笠や 被んでわん 涼しゃ 縁がやたら”という歌詞が一番好きです」
と嬉しそう。
大意は「愛しい彼(恋人)が作ってくれたむんじゅるの笠は、かぶっても涼しくてとても気持ちがよい。(私と彼は)深いご縁があったのだろう」というもの。
こちらの歌詞は、手元の資料には「芋の葉節」の一節として紹介されています。舞踊として「芋の葉節」、「月の夜節」も「むんじゅる節」と捉えられているのかもしれません。それにしても、「縁がやたら」と口ずさむ時のスミ子さんの笑顔は初々しい乙女のようでした。

「(「むんじゅる節」の)唄が聞こえてくると、粟国の唄だなぁと思います」
と仰るのは玉寄武一さん。
「むかしは雨のときや、暇のあるときは各家庭でも唄っていました。しかし、いまは三線を弾く人が唄うのであって、踊りは踊れても唄は唄えない人が多いですね」と語ります。

1998年、西集落の見晴らしの良い丘陵に「むんじゅる節」の歌碑を建立。2010年には、ゴロ合わせのよい6月16日を「むんじゅる節の日」と制定。
今年2012年はボタンを押すと「むんじゅる節」が流れる『粟国島案内マップ』が歌碑の傍らにお目見えしました。気軽に聴けることで、より身近に「むんじゅる節」を感じることができるようになったのです。

「いつかは『なりやまあやぐ大会』のような、『むんじゅる節』の大会を開きたいと思っています」と、島の代表歌を競い唄う大会の開催を願う伊良皆賢哲さん。
「むんじゅる節」は今後ますます世間に広く知られるであろう気配です。

粟国島の唄者・玉寄勝也さんと大城美咲さん

「『むんじゅる節』は島の代表歌としてよく知られています。でも、あまり知られていないかもしれませんが、島には『シターリ節』をはじめ、他にも粟国島にしかない唄があります。今後は粟国島の他の唄ももっともっと知って欲しいと思います」。
スミ子さんの島唄に対する切実な想いに、「また、粟国島の島唄の取材に訪れますね」胸内にそう誓わずにはいられませんでした。

     むんじゅる平笠ちゅらむぬや

つぎにあなたが粟国島を訪れるときは島風とともに、「むんじゅる節」を思い起こして頂ければ幸いです。

【取材協力】
 玉寄武一さん、玉寄スミ子さん、玉寄勝也さん、大城美咲さん、小禄恵梨子さん、
 伊良皆賢哲さん、伊良皆博司さん、新城達也さん、シンザトさん
 粟国島でお会いしたみなさま、ご協力まことにありがとうございました。
 いっぺーにふぇーでーびたん。

【主な参考文献】
 むんじゅる節歌碑建立期成会『むんじゅる節歌碑建立記念誌』
 粟国村『粟国村誌』
 仲宗根幸市『島うた紀行 第三集』
 小濱光次郎『やさしい琉歌集』

取材地・取材日:沖縄県島尻郡粟国村 / 2012年3月1日
制作総括:安積 美加(選曲・取材・撮影・執筆)
© Mika Asaka All Rights Reserved.

関連記事

  • コメント ( 0 )

  • トラックバックは利用できません。

  1. この記事へのコメントはありません。

error: Content is protected !!