三日目。トゥズミ(止め)
水恩感謝祭
「トゥズミ」といわれる節祭3日目。朝から鈍色の雲が多く、風が強く吹き渡っていました。
午後には上原港は欠航となり、バスで1時間ほどかけてもうひとつの港、大原港まで行かなくては石垣島へ渡れない。それほど風が強くなっていました。
トゥズミの午後からは集落内にあるウヒラカー(大平井戸)で、水恩感謝祭が挙行されます。
ウヒラカーは祖納集落が高台にあった頃から、飲料水として長いあいだ祖納の人々の生活を支えてきました。その感謝の意を込めて、「船元の御座」で演じられた狂言、棒踊り、獅子舞が奉納されます。ウヒラカーの会場には、ミリク役を務めた全剛さんも私服姿で着座されていました。
昨日とは打って変わって、観光客の姿は数えるほどになっていましたが、島人らしきシージャ方や中学生らしい子どもたちもやって来てその様子を見守っています。
昨日同様、井戸の前で粛々と芸能が奉納されていきます。
コミカルな狂言には拍手がおこり、獅子舞を怖がる小さな子どもの愛らしい様子に微笑む島人。
御神酒などが見物人たちにも振る舞われ、最後には井戸の周囲を所狭しと男女が入り交じってのガーリ(乱舞)で締め括られました。

島風の記憶と希望 