歌詞が変わっても「なりやまあやぐ」は愛され唄い継がれる
昨今では「なりやまあやぐ」について書かれている文献はいくつもあります。
文献のなかには、例えば「妻が夫を戒める唄である」という解釈もあり、私もそういう唄だと思っていました。
松原彦文(まつばら ひこふみ)さんは、
「唄は時代とともに変わってきているのだと思います。
古いむかしのことは文字として残っていませんから、どれも正しく、どれも間違いではないと思います。
作詞作曲者も不明ですが、唯一言えるのは友利が発祥の地であることです」
と力強くおっしゃいました。
大昔のことは文字として残っていない、という言葉を継いだのは奥濱健(おくはま たけし)さん。
「宮古島で最古の書物は琉球王府の命令で1709~1711年に編纂された『御嶽由来記』ですよ」と解説。
宮古最古の書物は1709~1711年、と聞くとわりと最近なんだなという印象を抱きますが、それはかえって宮古の方言を文字にすることの難しさを物語っているようにも思えました。
諸説はさまざまありますが、どれが間違い、どれが正しいではなく、どれも正しく、どれも間違いではありません。
それほど「なりやまあやぐ」が魅力あるしまうた(島唄)であり、さまざまな形で唄い継がれてきたと言うことなのです。

※御嶽(うたき)…村落の祖先神(守護神)が降臨するところ。琉球神話の神が存在、あるいは来訪する場所。祭祀などを行う聖域。
島風の記憶と希望 
