第5回「なりやまあやぐ」宮古島

時代とともに価値観が変わり、歌詞も変わった

 「なりやまあやぐ」の歌詞に、時代とともに価値観も変わっていることを示す箇所が見受けられます。

「なりやまあやぐ」のなかには馬が頻繁に登場します。
「1965年頃までは農耕馬として一般家庭でもふつうに一軒で馬3~4頭を飼っていたとおっしゃいますから、「なりやまあやぐ」は当時の生活に密着した唄であることがわかります。

 

元唄といえる佐久本武佐氏が唄っていた3番目の歌詞は「赤馬が美しい」と唄われていました。

   馬のかぎさや 赤馬どかぎさー みやらびかぎさや 十七、八くるどー
   (馬は赤馬が美しい 女性は17、18歳頃が美しい)

3番までしか唄われていなかったところへ友利實功氏らが編詞、さらに5番まで作詞した歌詞は次のように「白い馬が美しい」と唄われています。

   馬の美さや 白さどぅ美らさ 美童美しさや 色ど美さ
   (馬は白馬が美しい 女性は色白なひとが美しい)

美しい馬の代名詞は「赤馬」であったはずが、「白馬」に変わっています。その理由は次の通りです。
昭和10年(1935年)、皇太子の乗馬用に宮古馬3頭が宮内庁に購入されました。
そのうちの1頭が、昭和8年に城辺村福里の藤原弘氏が生産、加治道の島尻寛栄氏が育てた「右流間(ウルマ)号」と言う真っ白な美しい馬で、大変な人気を博していたことから、白馬を「なりやまあやぐ」の歌詞に折り込んだとされています。

時代とともに唄が変様している好例でしょうね。

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