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第9回「でんさ節」西表島

「でんさ節」の歌詞と大意

「でんさ節」西表島

【歌詞】
 一、上原ぬでんさ 昔からぬ でんさ
    我心いざば 聞きゆたぼり でんさ

 二、島持つぃどぅ 家持つぃ 舟乗るどぅゆぬむぬでん
    舟頭 舟子 親子揃らにばならぬ でんさ

 三、親子かいしゃー子から 兄弟かいしゃ弟から
    きない持つかいしゃー 嫁ぬ子から でんさ

(大意)
 一、上原のでんさ 昔からのでんさ
    私が大切な事を言いますので、是非聞いて下さい

 二、島を治めること、家庭を持つことは舟に乗ることと同じことです
    舟頭、舟子、親子、心と力を合わせて生きていきましょう

 三、親子は子どもから、兄弟は弟から、家庭はお嫁さんから、
    力の弱い者を大切にしましょう

 


【映像】西表島の島人が唄う「でんさ節」収録2011年 西表島

西表島「でんさ節」 唄三線:平良昌裕さん


「でんさ」は「でんし」の転訛。「でんし」とは「伝え教える」という意味です。
「でんさ節」は、西表島の北に位置する上原が発祥の地。
1768年に上原村が創建。上原の初代村長にあたる与人(ゆんちゅ)であった宮良里賢(みやらりけん)氏が村建ての際に、昔から伝わる教訓を唄にしたものです。

教訓は夫婦のあり方、親子のあり方、兄弟のあり方、暮らしのあり方、人としてのあり方など多岐に渡り、資料によっては17番まで紹介しているものもあります。
こちらでは代表で3つご紹介いたしますが、唄う際は自分の好きな歌詞(教訓)を選んで唄うこともできます。

「『でんさ節』は八重山古典民謡コンクールの奨励普及賞でもあり、入りやすい唄です」
と八重山古典民謡保存会教師の平良昌裕さん。

実際に「でんさ節」を聴かせて頂くと、教訓歌として広く唄われる要素は、子どもにも誰にでも馴染める、やさしい心地よい旋律だと改めて気付かされます。

 

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