結願祭 ~ 島の暮らしに溶け込んでいる「小浜節」
「小浜節」を存分に堪能したいのであれば、2001年から始まった「ちゅらさん祭」のときに開催されている「小浜節大会」に来るといいと島人に教えていただきました。
広く知られている「とぅばらーま大会」や「ナークニー大会」があるように、「小浜節」にも大会があるということですね。
また「小浜節」は、一年間の願を解き、翌年の豊饒を祈願する無形民俗文化財に指定さている「結願祭」で演じられる奉納舞踊歌としても唄い継がれています。
暮らしのなかでは、結婚式やお祝いの締めくくりに唄われ、参加者が唄いながら帰っていくそう。
島の人々が道道、唄いながら帰って行く姿は、想像するだけでもなんて風情があって素敵なのでしょう。
まるで映画のワンシーンのようですね。
「長寿祝いの際に歌詞を変えて唄ったり、3月あたりの転勤・移動の時期には見送りの唄として航海安全の歌詞をかけて唄っています」と仲盛さん。
「小浜節」はあくまでもおめでたい唄ですが、ときには情け唄と思われている節もあるようです。
その要因を尋ねたところ、
「ウチナー芝居で悲しい場面に使われていたので、いつの間にか情け唄にされてしまったのでは」
と黒島さん。
島の原風景を唄った土地賛歌である「小浜節」。
ゆったりとした美しい旋律は聴く者のこころを捉え、あまりにも叙情的な旋律であるが故にお芝居の悲しい場面に雰囲気を盛り上げるために使われていたのでしょうね。

少し余談ですが、結願祭のほかにも小浜島には種子取祭、旧盆、豊年祭などの祭事があります。
それぞれ祭事のときは島の人全員が着物をつけるそうです。
全員というのは観客となっている島人も着物をつけているということです。
ですから、島人はひとり4~5枚は着物を持っているのがふつうだとか。
各家庭に機織りがあるというのも驚きです。
また、藍染めで使う藍そのものを育てて、刈り入れをして、染めて、織って、縫ってという、すべての行程をひとりでしてしまうというお話を伺ってさらに驚きました。
祭事だけでなくお祝い事や法要でも着物をつける、とにかく年中着物をつける機会があるとのこと。
これだけ着物文化が根付いているとは、小浜島はまさしく“着物の島”とも言えるようです。
着物好きの私としては非常に興味深く、羨ましい限りです。
ただし、こころを込めて家族の分をつくることで精一杯なので、いまのところ販売はされていないとか。
着物にご興味のある方は小浜島へ行かれたら、ぜひその辺もチェックしてみて下さいね。
島風の記憶と希望 
