555 - 事務局長のつぶやき

辻町の旧廿日正月「じゅり馬まつり」昭和時代の衣装たち

☆ 令和6年「じゅり馬まつりパレード実行委員会」のイチ活動の記録 ☆
と き:令和6年2月2日(金)11時~13時  天候:晴れ(暑いくらい)
ところ:沖縄県那覇市辻二丁目 辻自治会事務所
目 的:辻自治会が保管している旧廿日正月(じゅり馬まつり)の衣装確認
参加者:4名
 ・辻自治会(1名) 婦人部長(伊良波 富士子さん)
 ・じゅり馬まつりパレード実行委員会(3名) 
   実行委員長(砂川 英昭さん)、会計(上原 由美子さん)、事務局長(安積 美加)

36年振りに地域パレードが復活 & 「じゅり馬スネー」は一般女性公募型に!

令和6年3月17日(日)開催予定の「じゅり馬まつり」。
昭和63年から実に36年振りに「じゅり馬まつり」の「地域パレード」が復活します。

36年振りの地域パレード「じゅり馬スネー(行列)」は、なんと一般公募!!
初めての試みです。

「琉球國時代から長い歴史を有する花街・辻の伝統文化を一般の方に体験していただいてみては?!」
という発想から始まりました。

じゅり馬スネーの衣装確認

さて、肝心のじゅり馬スネーの衣装をどうする!?!

「辻自治会が保管している衣装があるはず。一度確認してみましょう!」

じゅり馬スネーに必要なモノを辻自治会が何をどれだけ保管されているのか、の確認を急遽さていただくことになりました。

押し入れには昭和時代まで「辻旧廿日正月じゅり馬まつり」に使われていた衣装がたくさん眠っていました。
上写真の押し入れは、いくつか衣装ケースを出した状態です。
なので、実際はまだまだたくさんあります。すごいさー!

立ち会っていただいた辻自治会婦人部長・富士子さん。(確か御年87歳くらいだったはず)
昨年11月の辻自治会「秋祭り」で幕開けの「かぎやで風」を踊られました。着物の似合うカッコイイ婦人部長さんです。
そのむかし、昭和時代はもちろん「じゅり馬」も踊っていらしたそうです。

昭和からの「じゅり馬」衣装が大量に保管

じゅり馬の衣装、たくさん、たくさんありました!! 
想像以上の数! 数! 数!
衣装の数から、当時のまつりの規模が想像できます。
ほとんどの衣装が良い状態。大切に保管されてきたことがよくわかります。

「じゅり馬まつり」の保存と継承のために。昭和から令和へ繋がるひとの想い

当時の世相を考えると、「じゅり馬まつり」の開催は非常に大変だったようです。

「これだけやったんですね。本当によくやりましたね」

「ありがとう。そんなふうに言ってもらえて嬉しい・・・」

感動のあまり婦人部長に駆け寄りました。

「辻の方たちがこれだけがんばったんだすね。
富士子さん、辻のみなさんがここまで繋げてくれたんですね」

気付けば、ふたりして涙を浮かべながら抱き合っていました。

「まつりは一人ひとりの力が必要です。
自分はもう年も年だから、外からできることを応援しますよ」
と富士子さん。

昭和時代の想いが詰まった辻自治会の大切な衣装道具を、令和6年じゅり馬まつりパレード実行委員会がお借りします。

昭和から令和へ。
時代が移り変わっても、
地域の伝統行事、歴史ある伝統文化を守っていきたい。
次の世代に繋げたい。
強い想いは昭和も令和も同じなんですね。

マジックで「辻廿日」と記された襦袢。

「昭和五十四年二月一七日 辻町じゅり馬実行委員会」と書かれたハチマキ(八巻)も見つかりました。

それぞれお仕事を抜け出してきての確認作業。時間は限られています。
すべてを確認するには時間も人手も足りません。

「今日はじゅり馬の衣装だけ確認しましょう!」
と自らジーファー(かんざし)の数を数え始める実行委員長。

衣装もジーファーも何もかもが想像以上の数量です。

「とりあえず40まで数えて、今日はそれ以上は数えないでいいでしょう」
となりました。

琉装の象徴のひとつ、ウチナーカラジに欠かせない「イリガン」

ジーファーがこれだけたくさんあるのに、ぽっこりはないのかなーと思っていたら・・・

なんと! イリガンが山ほど出てきました!!!(下の写真の新聞紙に巻かれているものです)

前出で「ぽっこり」と書きましたが、「インスタント・カンプー」と言った方がピンと来るでしょうか。
ウチナーカラジを結い上げた完成形のウィッグで、髪(地毛)を束ねたらトップにちょこんと乗せてジーファーとピンで留めればOK! という、とても便利な代物です。

「イリガン」は、長い髪を束ねたエクステ(付け毛)です。
地毛といっしょに結い上げていきますので、手間と時間+からじ結いのテクニックが必要。ですが、イリガンを使った場合は、(扮する役の)身分や地域、年齢層などを表現することができる上、その方に似合うよう自在に仕上げることが出来るので、よりいっそう美しい。という大きなメリットがあります。

手軽にできる「ぽっこり」と、手間暇・技術が必要ですがそれぞれに似合うように結える「イリガン」。(カラジ結いできる十分な髪の長さがある方は、ぽっこりもイリガンも必要ありません。)

どちらにもそれぞれメリットがありますが、いずれにせよ、これほどの数量のイリガンを揃えるのは、現在はさらに難しいんじゃないかな、と思います。
まさに宝の山!! さいが!

そのほか、親方、チーアンマー、国王、ウミナイビの衣装が出てきました。ほんと、すごいです!!

国王やウミナイビの絢爛豪華な衣装は、本番で出せるかなー。どうかなーってところです。
なのでココでは(いまは)出し惜しみさせていただきますネ。お楽しみに。

「じゅり馬まつり実行委員会」と書かれた帯かな? を手に。砂川実行委員長のパラパラ写真(笑)

「じゅり馬」に欠かせない馬頭板です。辻自治会が保存されている馬頭板は朱色です。

修正が必要な馬頭板。裏には「辻自治会 昭和五十四年二月十五日」と明記されています。

お昼前11時から13時までの2時間でしたが、あっと言う間でした。
辻自治会は大変な数量の衣装道具を保管されていました。
ですから、すべての衣装は確認しーきれず。
再度の確認が必要。ですね。
またよろしくお願いいたします。

2024年2月4日(日)は、第1回目の「じゅり馬スネー」練習会です。
どれだけの女性が来てくださるのか。
皆様にお会いできることが楽しみです。(^-^)

うまんちゅぬ あちゃー かふー うにげーそーいびーん。
みなさまに琉球弧のすべての神々のご加護がありますように☆

あさか みか|フォトライター(取材・撮影・執筆)、司会、webサイト制作、文化芸能イベントの企画・運営。南西諸島の島々に伝わるウタや祭祀、歴史・文化、民俗的なモノ・コトがおもなフィールドワーク。DX事例紹介など、ビジネスIT系の取材・撮影・執筆も手掛けます。宮古島「なりやまあやぐまつり」を筆頭に、地域に根ざした文化芸能祭事の司会としても活動中。沖縄県那覇市在住。合同会社ジョートー所属。