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じゅり花(夜香花/イエライシャン/ナイトジャスミン)

明日から6月の梅雨の那覇。
むわぁっと湿度の高い空気が肌にまとわりつきます。
日が暮れると白い「じゅり花(ジュリバナ)」が花開き、甘く高貴な香りを漂わせています。

 

イエライシャン、ヤコウボク(夜香木)、ナイトジャスミンが一般的かもしれませんが、那覇では「じゅり花(ジュリバナ)」と呼ぶ方もいらっしゃいます。
ジュリバナの由来は、花街・辻で生活を営んだ女性「じゅり」。
「ジュリバナは夜に咲き、魅惑的な香りであることから、客寄せのために、じゅりぬやーや料亭の玄関に植えていた」と耳にしたことがあります。

夜香木のことを「ジュリバナ」と言うのは辻界隈、もしくは辻にお詳しい方だけかと思っていたのですが、小禄赤嶺の我が家のお隣さんも「ジュリバナ」と呼ばれていたので、那覇では「ジュリバナ」はポピュラーな呼び名なのかもしれません。
 
ジュリバナが好きだというと、お隣さんは翡翠色の蕾がたくさんついた枝を少し切って分けてくださいました。
いただいたのは15時頃。グラスに水を注ぎ、キッチンのカウンターに飾りました。まだ蕾でした。
19時頃、仕事部屋からキッチンに行くと、ふわっと甘い香りが鼻腔をくすぐります。
何の香りだろう? 
ジュリバナをいただいたことを思い出し、カウンターのジュリバナを見ると、蕾がすべてキレイに花開いています。
キッチンなのに、よく夜だってわかったなぁ ・・・ と感心。
小さな愛らしいジュリバナが、辻の健気なじゅりたちの姿と重なりました。

あさか みか|取材・撮影・執筆、司会、webサイト制作、文化芸能イベントの企画・運営。南西諸島の島々に伝わるウタや祭祀、歴史・文化、民俗的なモノ・コトがおもなフィールドワーク。DX事例紹介など、ビジネスIT系の取材も手掛けている。宮古島「なりやまあやぐまつり」を筆頭に地域に根ざした文化芸能祭事の司会としても活動中。沖縄県那覇市在住。合同会社ジョートー所属。