第1回「安里屋ユンタ」竹富島

ユンタから節歌へ

古謡「安里屋ユンタ」の“ユンタ”は、助け合いの“結歌(ユイウタ)”であり、畑仕事をしながら歌う“労働歌”として歌われていました。
互いにユンタを歌い、返していくことで、人頭税を納めるための過酷な辛い畑仕事をお互いを励まし合い、疲れを癒していたようすが偲べます。

農民たちの労働歌である「安里屋ユンタ」には三線の伴奏はなく工工四(三線の楽譜)もありませんでしたが、この「安里屋ユンタ」に役人たちが編曲して三線を付けて歌ったと言われているのが「安里屋節」です。

「安里屋節」(竹富島)
 
  一、安里屋ぬクヤマにヨー 目差主ぬくゆたらヨー
    うやきヨーヌ 世ばなうれ

歌詞はほぼ同じ内容で歌われています。
決定的な違いはフェーシ(囃子)のところで、労働歌であるユンタは
「ハーリヌチンダラ チンダラヨー(かわいい かわいい)」
とありますが、三線をつけた節歌では
「うやきヨーヌ 世ばなうれ(世の中がよくなりますように)」
となります。

「“世の中がよくなりますように”とは重税に苦しむ農民のために、役人が農民を思いやって書いたのではないかなぁ」
と話す島の方もいらっしゃいました。
真偽はわかりませんが、もしそうだとしたら少しは救われる気持ちになります。

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