第1回「安里屋ユンタ」竹富島

取材当時(2011年 1月17日)& 掲載時のママ未修正でお届けしております。

「21世紀に残したい沖縄民謡」郵便投票で堂々の第一位

「サー 君は野中のいばらの花か サーユイユイ」の歌い出しで知られる「安里屋ユンタ」は沖縄全域に渡りもっとも知られている歌のひとつ。
那覇空港と首里を結ぶ沖縄県内唯一のモノレール「ゆいレール」の車内でも「安里駅」到着時のメロディーに使われています。

そのむかし、「チンダラカヌシャマヨ」が「死んだら神様よ」と読み替えられたことで一躍有名となったこの歌は、沖縄にいらっしゃればどこかで耳にする機会のある歌であり、沖縄にいらしたことがない方でもメロディーを聞けば、「あぁ、あの歌ね!」ときっと頷けるはずです。

よく耳にしているのは「新安里屋ユンタ」

「(新)安里屋ユンタ」(作詩/星克 編曲/宮良長包)

サー 君は野中のいばらの花か サーユイユイ
暮れて帰れば やれほにひきとめる
マタハーリヌ チンダラカヌシャマヨ

ヤマトゥグチ(日本語)の歌詞で歌われ全国的に知られている「安里屋ユンタ」ができたのは1934年頃のこと。
八重山民謡研究の大家、喜舎場永珣(きしゃば えいじゅん)がコロムビアレコードの依頼を受け沖縄民謡普及版製作の選曲を行った際に、竹富島に伝わる古謡「安里屋ユンタ」に目がとまり、編曲を宮良長包、作詩を星克に依頼して産ぶ声をあげました。

明るく馴染みやすい俗謡調の「安里屋ユンタ」はレコード化されるや大流行となりました。
私の両親が暮らしている大阪・泉州でも、「この歌はすごく流行っていたよ。替え歌にして遊んだものだ」と80代のおじぃが嬉しそうに替え歌を思い出しながら歌ってくれたことがあるほどです。

全国区となった「安里屋ユンタ」には “新” をつけて「新安里屋ユンタ」とよび、元歌の竹富島の古謡「安里屋ユンタ」と区別しているところもありますが、今日ではすっかり “新” が慣れ親しまれています。

『恋ししまうたの風』第1回は「新安里屋ユンタ」の元歌である古謡「安里屋ユンタ」の生まれ故郷、竹富島へ旅します。(2011年1月17日取材)

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