琉球舞踊「花風」の舞台となった場所

花風(はなふう)
雑踊りで、数ある琉球舞踊の中でも珠玉に相当する演目といえよう。沖縄からじを辻風に結い、紺地のかすりをウシンチーにして着た女が、肩に花染手巾、手に藍紙でできた日傘をもち、白の足袋をはいて下手から思いをこめて登場する姿は、まるで一幅の絵をみるようで、出羽から心ひきつけられる踊りである。
・・・
那覇の港から船出する愛人を、三重城の丘にのぼって見送る遊女の姿と、その心中の深い悲しみを大写しにする。・・・

【出典】那覇出版社『琉球芸能事典』344頁

琉球舞踊のなかでも人気の高い「花風」。
じゅりが愛する人を見送るのは、ジュールクニチー(※)で離島の人々が集まる「三重城(ミーグシク)」と思っていました。

ジュールクニチー

旧暦1月16日の「グソー正月(あの世のお正月)」のこと。十六日祭。

先島(宮古・八重山)ではシーミー(清明祭)よりジュールクニチーが盛んで、離島出身者の方々がミーグシクへ遥拝に訪れます。

ところが、2021年、研究者S氏から、
「ミーグシクで見送るのは本妻であり、じゅりが見送ったのは通堂からミーグシクまでの海中道路の途中にある沖之寺(臨海寺)であったと思われます。
本妻が見送った沖合のミーグシクをサチヌミーグシク。
対して、じゅりが見送った場所をナカヌミーグシクと呼んでいました」
と教えて頂きました。

【出典】1770年頃 琉球国之図+琉球国惣絵図(間切集成図) 合成版〔那覇市〕https://www.tsunagaru-map.com/shurinahakouzubyobu/map.html?point=465

上記の絵図の⑫が本妻が見送る沖合の「サチヌミーグシク」。
⑰がじゅりが見送る「ナカヌミーグシク」です。

絵図今昔

⑫ サチヌミーグシク ・・・ 那覇市西の「ロワジールホテル那覇」裏手にある「ミーグシク」のことです。
⑰ ナカヌミーグシク ・・・ 現在は那覇港となっています。港内に沖之寺跡が祀られ、お参りすることが可能です。


詳細は下記リンク先をご覧ください。

美加
美加

ミーグシクの方が沖合で、ナカヌミーグシクは港の近くです。
できる限り長い時間、船が見えなくなるまで夫を見送れたのは本妻だった。ということでしょうか。
ミーグシクとナカヌミーグシクを訪れ、海の広がり方の違いをご覧になって、船を見送る女性の気持ちになってみてはいかがでしょうか。

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